高齢化社会の現在、病気にならず介護も必要ない生活(健康寿命)をいかに長く送れるかが大事になってきます。寿命が長くなっても、病気や介護を受けなければ生きられないのでは本来の長寿とはいえません。
将来にわたって健康である為には自分に不足している栄養素を知り、偏った食生活を見直し、必要な栄養素を適量摂る事が生活習慣病を防ぎ、健康で豊かな生活を送る基本です。
食事健康ガイドでは毎日の食事による健康維持の目安をご案内します。
成人の場合、食物からとる摂取カロリー(エネルギー)量と日常生活で使われる消費カロリー(エネルギー)量が釣り合っていれば、体重の変化はなく、摂取カロリー(エネルギー)が消費カロリー(エネルギー)を下回っていれば、体重が減少し、上回っていれば、体重が増加していきます。
肥満は、糖尿病や高血圧症、高脂血症などの生活習慣病を招くばかりでなく、大腸がんや乳がんになる危険性を高めます。
生活習慣病を予防するためには、毎日の食事に注意して適正体重を維持し肥満予防を心がけることが大事です。 → あなたの適正体重を確認しましょう。
1日にとりたいエネルギー量(カロリー)は、年齢、性別、身体活動レベルによって異なります。ほとんど座っている成人女性では1800±200キロカロリー、同じくほとんど座っている成人男性では2200±200キロカロリーです。
食事による健康維持に1日の消費エネルギー(カロリー)もチェックしましょう。 → あなたの1日の適正エネルギー量(カロリー)を確認しましょう。
脂質は、1gあたり9キロカロリーのエネルギーになると同時に、細胞膜や核膜の原料となり、脂溶性ビタミンの吸収を助けるという重要な働きをしています。
しかし、脂質をとり過ぎると、高脂血症や動脈硬化を引き起こしやすくなります。また、 血管へ脂肪が蓄積し、血液の流れが悪くなり、心臓への負担が増し、血圧が高くなります。
30歳代以降の脂質の摂取目標は、摂取エネルギーに換算して、総摂取エネルギー量のうちの20%以上25%未満となっています。
野菜は、ビタミン類や無機質、食物繊維を含んでいます。不足すると便秘になりやすくなります。野菜の摂取は、食道がんや胃がんの予防に働くと考えられています。
飽食の時代を迎えた現代では、植物繊維の不足、ビタミンやミネラルの不足といった栄養障害が増えています。生活習慣病の増加につながる深刻な問題で、積極的な摂取が推奨されています。
野菜の1日の目標摂取量は、350gです。
このうち緑黄色野菜120g、淡色野菜230gを摂ると必須栄養素のバランスが整います。
カルシウムは、体重の1〜2%を占め、約99%は、骨や歯の告ャ成分となっており、残りの約1%は血液や筋肉内に存在し、出血を止める働きや神経の働き、筋肉運動など人体の生命維持に重要な働きをしています。
血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれており、濃度が低くなると、骨に蓄えられたカルシウムから補うことになります。カルシウムが不足すると、くる病、骨軟化症、骨がスカスカになってもろくなる骨粗しょう症になる危険性を高めます。
カルシウムの1日の目標摂取量は、650mgです。
ナトリウムは、体液の浸透圧の維持や神経の伝達、筋肉の収縮などに関わった重要な働きをしています。腎臓の機狽ェ正常であれば、再吸収機狽ェ働き、ナトリウムが欠乏することはあまりありません。
塩分の過剰摂取は、高血圧の要因と言われています。また胃がんの促進因子とも考えられています。
成人の場合、食塩の1日の摂取目標量は、男性で10g未満、女性で8g未満です。